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カイトは念能力で転生したわけではない理由を解説

多くの人が勘違いしている、カイトの念能力による転生

 

カイトが念能力で転生していない、その明確な理由を解説していきます。

 

念能力で転生したなら謝るのはカイトのほう

重要なのは、ジンがゴンに伝えたかったこと。

それは、「謝り方に気をつけろ」というメッセージ。

でも、念で転生していたなら、謝るのはゴンじゃなくカイトになるはず。

 

「俺はいざとなったら転生して逃げれるのに、お前たちを危険な目に合わせてすまない」と謝るのはカイトの方になるはずです。

 

なので、ジンはカイトが念能力で転生したと伝えたかったわけじゃない

 

じゃあ、なぜ、「ゼッテー死んでたまるか」の解説をしたかというと、

カイトがどんな性格・人格の持ち主か、どういう考え方をしている人間かを説明するため。

そのために念能力の決め方を例にして話したわけです。

 

犠牲になるなんてノミのクソほども思っちゃいないカイト

カイトは「ゼッテー死んでたまるか」と考えるほど、自分の命に対して執着があるということ。

 

つまり、他人のために自分の命を捧げる、犠牲にする、なんて気はさらさらない

 

だから、ジンが「アイツはお前の代わりに犠牲になるなんて、ノミのクソほども思っちゃいねーからな」と教えてあげたわけです。

 

もしゴンが、ありきたりな謝り方で

「カイト!ごめん!俺とキルアのために犠牲になって死なせちゃって・・・」

なんて謝り方をしてしまったら、

「誰がお前のために犠牲になって死ぬかボケェ!!!」

と、ぶっとばされるから気をつけろってことを、ジンはゴンに教えてあげたかったということ。

 

転生能力だったなら、想定どおりなんだから、ブチ切れないでしょう。

 

カイトの生き方と覚悟

カイトはピトーを前に、時間を稼ぐとは言いましたが、それはあくまで自分のミスによる落とし前をつけるため。自分を犠牲にしてもいいとは思っていない。そんな自分の命を軽んじた生き方はしていないということ。

 

その覚悟からくる、クレイジースロットの「ゼッテー死んでたまるか」の制約なんです。

 

もしくは、カイト自身がイラついていたように、「ゼッテー死んでたまるか」までは、あくまでお遊びモード。どの目が出ようが、遊びに過ぎないしそれで充分倒せる。

しかし、死ぬかもしれないヤバいときは、遊んでる場合じゃないんで、ランダムじゃなく本気モードの番号が出るんでしょう。

 

それにスロットの出目の悪さのせいで死んだらアホらしいし、負けた言い訳を運の悪さのせいにすることになるし、なによりカイト自身が納得いかないでしょう。運任せ全振りなら、ゴンと2人で「お互い修行が足りなかったな」なんて話にはならないはずです。

 

転生の念能力だったなら、教えたジンだって「多分そーいうことだ」なんてあいまいな言い方はしないはずだし、そもそも謝る必要もない。「「ゼッテー死んでたまるか」って、本気で思わないと出ねー番号がある。」なんて遠回しな言い方せずに、「アイツは念能力で転生できるんだ」とはっきり言えるはず。

 

しかも仲間に転生できることを伝えずに、悲しませているわけですからね。カイトの死による悲しみと怒りからのゴンさんとかなんだったのかと、色々とおかしなことになってきます。

 

ゴンなんて、結果的にそれで念能力使えなくなってますからね。

 

だから、念能力による転生ではなかったということです。制約的にも、あまりにも軽すぎる。死んでたまるかって、そんなに難しいことじゃないですからね。むしろ追い込まれて「死にたくない」は普通の反応です。

 

実際のところは、おそらく他のキメラと同様にたまたま転生できたんでしょう。もしくは、「ゼッテー死んでたまるか」という執着がそうさせたのか・・・。ジンの「多分そーいうことだ」はこのことでしょう。

 

さらっと流して読むと、勘違いしてもおかしくないところですが、違和感のある読者も多かったはず。

 

さらに、その後のコアラとの会話のやりとりからも、カイトが転生能力を仕込むような人間とは思えません。

 

むしろ、転生なんて逃げだ。自ら死んでリセットなんて誰が許すかと、コアラに突きつけるカイト。

 

死ぬのが嫌で、転生能力仕込むようなやつのセリフじゃないですよね。

 

しかも、カイトは念能力でやっとの思いで転生するのに、コアラはそのまま転生できるのもおかしい。(コアラが実際に転生できるかはともかく

 

そして、カイトが転生能力を用意するなんて、ダサすぎる。

 

なので、転生は念能力じゃないんです。

 

ただ、クレイジースロット自体に、奥の手、切り札的な条件がある、という点は面白い設定で、どこかで読者に見せたかったのでしょう。

 

このあたりの発想は、冨樫先生の天才的な頭脳なわけですが・・・。

 

それをカイトの性格の説明と組み合わせた結果、誤解を生む結果になったと。

 

しかし、冨樫先生による漫画読解力を問うような、高度な描き方なのでしょう。